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August 09, 2006

日本語版の《魔王》

ドラマ『結婚できない男』(KTV・フジ系)が話題になってますね。伊達さんのブログからたどっていろんな人の感想を見ると、一般的には「あんな男とは絶対付き合えない!」、クラヲタには「これって、あるあるネタだよね?」という感想が多いような。

私も前々回と今回と、あわせて一回半ぐらい見ただけなんですが、まあなんといっても印象的だったのが、前々回出てきた日本語版の《魔王》でしょう(それかよ)。CLASSICAのiioさんは「ありえねー。日本語はないっすよ。」とおっしゃってますが、いやいやどうして、これはなかなか深い選曲のような気がします。

最近はどうなってるのか知りませんが、小中学校の音楽の時間に聴かされた曲というのは、今考えるとかなりユニークな選曲だったように思います。通俗音楽(この言い方も今ないですね)の代表のように言われていたアイレンベルクの《森の水車》だって、まあ学校以外で聴く機会はほとんどなくなってしまったし、だいたい私が小学校に入って最初に聴かされた曲、今でも覚えてますが、ピエルネの《小牧神の入場》ですからね。いきなりピエルネって。

で、それらの曲の中で抜群に強烈なインパクトを与えている(らしい)のが、シューベルトの《魔王》なんですね。クラシックにはほとんど興味を示さないうちの奥さんも、私の持って帰った歌劇《魔笛》というチラシを見て「あ、これ知ってる。おとうーさーんおとうさん!っていうのでしょ。」と言ったぐらいで。

そう、小学校だか中学校だかの音楽の授業で《魔王》を聴いて「なんかインパクトある曲だなー」と思った子供にとっての《魔王》というのは、フィースカウ君とかじゃなくて、日本語訳詞の「おとーうさーんおとうさん」なんですよ。ところがこれがなかなか売ってない。「18人の名歌手によるシューベルト:魔王」という《魔王》ばっかり集めたCDがあるんですが、ここには中山梯一による日本語版が入ってます。しかしこれは訳詞が違うので「お父さん」じゃないんですね(何と歌ってたか忘れた)。柳兼子によるのは女声だし、最近の福井敬の《水車小屋》のフィルアップで入ってるのは、松本隆訳だから音楽の時間に聴いたのとは違うでしょう(正直言うとこの二つは持ってないから詳細はわからないんですが…)。

ということはですよ、昔音楽の時間に聞いた《魔王》を入手しようと思ったら、教育用のCDを買わなきゃいけないわけです(たぶん)。クラヲタの皆さんでも、こういうものまで持ってる物好きな(?)人はあんまりいないんじゃないでしょうか。そう考えると阿部寛扮する桑野建築士の趣味、1周半ぐらい回って相当マニアックなような気もします。




投稿者 Hayes : August 9, 2006 06:56 AM

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» フジテレビ「結婚できない男」第4話:休日を一人で過ごして悪いか!! from 伊達でございます!
“おひとりさま”な信介の日常を描く展開もパターン化してきましたが、奇をてらった展開はないのに、落ち着いて見ていられるのは、役者陣のツボにはまった演技ゆえですね。 [続きを読む]

トラックバック時刻: August 9, 2006 09:33 AM

コメント

 いやー、あのCD、誰が歌ってる盤だったんでしょうね。珍しいもの持ってるなっ!と思いましたよ。

投稿者 iio : August 9, 2006 12:10 PM

私も中学の鑑賞の時間に聴いた《魔王》に強いインパクトを感じまして、音楽の先生からレコードを借りました (クラシックにハマるきっかけだったかも…) 。教科書鑑賞用にグラモフォン・エデュケーショナルなんていうレーベルがありまして、ドイツ語の方はフィッシャー=ディースカウなんですが、日本語のも入ってるんですよね。

で、私が先生から借りたCD、残念ながら、演奏者名を写し忘れてしまいったんです。いや〜、まことに残念。この時の翻訳は、今教科書に載っている文語調 (「かぜのよに うまをかり」、大木敦夫、伊藤武雄共訳) ではなくて、分かりやすかったんですね。「暗い森、走る馬」という出だしです。

その後、別の音源で、大木/伊藤版のを図書館等で見つけ、借りたことがあります。一つは日本コロムビアので、もう一つは、やはりグラモフォン・エデュケーショナルのものです。

これらは演奏者を書き写しておりまして、前者は田島好一 (バリトン) 、田辺 緑 (ピアノ) となっております。後者は木村俊光 (バリトン) 、植田克巳 (ピアノ) となっています。おそらく現在も『中学校の音楽』とかいう教科書準拠のCDに収録されているんではないかと思います。

ご参考までに。

投稿者 amekura101 : August 9, 2006 01:06 PM

訂正:学校の先生や図書館で借りたのは、全部LPでした。失礼!

投稿者 amekura101 : August 9, 2006 01:08 PM

 Hayesさんはじめまして。FCLAの頃から拝見しておりました。m(__)m

 例のドラマで「魔王」シーンを見て、「だっせー、なんで日本語版なんだよ」と思った一人です。

 たしかに音楽の授業時に聴いた「おとーうさーんおとうさん」には強烈なインパクトがありましたが(笑い出す生徒もいるくらい)、ドラマ中で流れた「魔王」がそれほどのレア物だったとは知りませんでした。ご教示ありがとうございます。

 とすると何気なく流れたエルガーにも何か深ーい意味があるような気がしましたが・・・・PROMSラストナイトには早すぎるし・・・

投稿者 Sato : August 9, 2006 10:10 PM

>iioさん
引き合いに出しちゃってすいません^^;
日本語版《魔王》,話のネタに欲しいなと思っても,結構どれも高いんですよね。さすが高収入の建築家は違う…ってそこまで考えてないでしょうけど。

>amekura101さん
おお,そちら方面も造詣が深いとは! 木村俊光さんのはわからなかったんですが,下にアフィリエイトのリンクを張ってる(まさか買う人はいないと思いますが…)39900円の日本コロムビアのやつが田島好一さんですね。あと,ビクターの方は、別サイト(http://music.jeugia.co.jp/details/1377136-9976004.html )によると原田茂生さんのようです。なんか結構豪華ですね。

訳詞についてはずいぶんいろいろ種類があるようですね。挙げておられる他に「あれーくるうーあらーーーしー」というのも見たことがあります。あと中山梯一は「吹きすさぶまよーなーかー」と歌ってます。

>satoさん
はじめまして。FCLAとは懐かしい。最後に書いたのはもう5年ぐらい前のような気がします。今後ともよろしく!
《魔王》ですが、レア物はレア物でも、「だっせー」ところが逆に面白いというひねくれた趣味かもしれません。威風堂々は、自分を鼓舞するみたいな感じでしょうかね。《魔王》よりはドラマそのもののストーリーに合ってたような気がします。

投稿者 Hayes : August 9, 2006 11:45 PM

>Hayes さん

もう一度グラモフォンのクレジットをみたら、原田茂生 (バリトン) 、加納悟郎 (ピアノ) になってました。勘違いしていたようで申し訳ないです。それで、このLPには、《菩提樹》や《鱒》の日本語版も入っていて、木村さんは《菩提樹》を録音されてます。《鱒》の方は小林一男 (テノール) 、三口耕平 (ピアノ) となっています。

その他、聴き比べとしてレーヴェの《魔王》も入ってます。演奏はフィッシャー=ディースカウとイェルク・デムスです。おそらく中学の時に聴いてもピンとこなかったと思いますが (ドイツ語だったら、歌詞が分からないから、比較する気にならないように思います) 、いまオトナになって比べてみると、レーヴェのは詩の扱いがドラマチックで面白いです。

投稿者 amekura101 : August 10, 2006 12:45 AM

>amekura101さん
あ、そうでしたか。ということは主な「おとーうさーん」バージョンは、田島氏か原田氏のどちらかということになるでしょうか。
レーヴェのは聴いたことがないんですが、上で書いた十字屋のページでは「魔王~同じ詩によるレ-ヴェの曲(シュ-ベルト作曲)」というわけのわからんことになってますね。

投稿者 Hayes : August 10, 2006 01:35 AM

>Hayes さん

今一般的なのは、新旧2つの大木/伊藤版で、その録音は2つということでしょうかね。レーヴェは、そうすると、珍しい曲なのですね。きっと《魔王》に詳しい評論家か音楽学者が、提案したのかもしれません。

ちなみにコロムビアのLPには、「劇」というトラックがありまして、NHKラジオ・ドラマ風の《魔王》が収録されています。風や馬の効果音が冒頭に入ってたり、魔王がエコー付きの大声で「はっはっはっはっはっはっ…。かわいい坊や、おいで! 面白い遊びをしよう」なんて叫んだりしてます。きっとこれを作られた人は子どもたちのことを思って一生懸命演じられたと思うのですが、中学だった私は爆笑してしまいました (^_^;;

小学校の「通俗名曲」というのは、私が考えるに、子どもたちが絵本や遊びの中で親しんできた題材をしたテーマにした曲を選んでいるように思います。乗り物、おもちゃ、動物ものが多いです。

投稿者 amekura101 : August 10, 2006 09:00 PM

訂正:

今一般的なのは、新旧2つの大木/伊藤版で、その録音は2つ
→今一般的なのは、2つの大木/伊藤版で、その録音は2つ

投稿者 amekura101 : August 10, 2006 09:04 PM

>amekura101さん

レーヴェの魔王は,私が聴いたことないだけで,シューベルトと同じ詩を使った別の曲ということで,それなりには知られてるように思います。こんなCDもありますね↓
https://www.hmv.co.jp/news/newsdetail.asp?newsnum=503130013

「劇」はビクターの方にも入っているようですね。語り手がなんと森山周一郎です。豪華ですねえ。

投稿者 Hayes : August 15, 2006 12:01 PM

「魔王」といえば、小学校の音楽の授業で聴いた「おとーうさーんおとうさん」が今も強烈な印象を残しているのですが、それって、デフォルト訳詞のような存在ではなかったのですね。そんなに珍しいものとは思ってもみませんでした。

投稿者 伊達 : August 15, 2006 02:59 PM

>伊達さん
私も《野ばら》とか《子守唄》みたいな定訳的なものかと思っていたので意外でした。それにしても、今は訳詞で歌う人も少ないですが、調べてるうちにちょっと聴いてみたくなってきました。そのうち訳詞が見直される時代も来るかもしれません。

投稿者 Hayes : August 15, 2006 04:57 PM