« 10/28 李心草指揮大阪フィル定期 | メイン | アーノンクール イン 京都(第21回京都賞記念ワークショップ) その2(公開リハーサル編) »

November 12, 2005

アーノンクール イン 京都(第21回京都賞記念ワークショップ) その1

 ニコラウス・アーノンクールが第21回京都賞を受賞しまして,「アーノンクール イン 京都」というワークショップが京都国際会館で行われました(11月12日土曜日13:00-17:00)。行ってきましたがな京都まで。面白かったですよ。ということで内容を少しメモしておきます。私はアーノンクールの著書も読んでいないし,ピリオド奏法については全然うといので間違ってたらごめんなさい。たぶんなんか間違ってると思いますが。

 前半は講演とシンポジウム。まずアーノンクールが話をして,それに対してパネリスト(鈴木雅明,樋口隆一,荒川恒子)がコメントと質問をするというものでした。アーノンクールの講演は『楽譜の魔力 The Charm of Musical Notation』というタイトルだったんですが,バッハやモーツァルトの楽譜の表記を実際にどのように演奏すべきかというかなり具体的な話が多かったです。

 強調していたのは「楽譜をそのまま演奏したのではいけない」ということでした。例えば,バッハで通奏低音に全音符が書いてあったとしても,それを小節いっぱいだらーと伸ばしてはダメ,低弦もアタックのあとすぐに減衰すること。そして,受難曲などのレシタティーフについても楽譜通りの音価ではなく,その言葉の発音に即したリズムで歌わねばならないということ。それから,モーツァルトでは,スタカートの点があっても,それは「ここはスラーではない」という意味にすぎないので,短く切って演奏すべきではない,ということ。これらを,当時の理論書や教本を根拠に,実例に即して話してくれました。低音の奏法については,樋口さんが「違う考え方もある」と言ったところ「誰が言っているのか。それは正しくない。」とかなり強く否定してたのが印象的でした。

 その後,パネリストの3氏と会場からの質問(事前に書いたものを司会の伊東信宏氏が紹介)に対する答えだったんですが,鈴木雅明さんの「最近アーノンクールさんは19世紀や20世紀の作品も演奏されているが,例えば減七の和音が当たり前に使われるロマン派以降の音楽を演奏したあと,バロック音楽を演奏するとき,そういう和音が非常に刺激的な不協和音として使われるバロックの和声感を取り戻すのに苦労しないか」という質問が面白かったです。アーノンクール氏の答えは「午前中にバッハ,午後にブラームスというようなことはできないけれど,何日か空けば切り替えられる」というものでした。会場からの「今後の予定は?」という質問に,司会の伊東氏が「ストラヴィンスキー,バルトーク,ベルクなども振りたいとのことですが」と水を向けると「その通りです。レイクス・プログレス,ヴォツェック,ルルなどを」とのこと。これは楽しみですね。

 それから,これも伊東さんが紹介しておられたんですが,昨日(11日)に行われた講演の中にあった,指揮デビューの話というのが面白かったです。アーノンクールの指揮者としてのデビューはなんとミラノ・スカラ座だったのですが,これは,スカラ座の人が,生演奏を聴いたのではなく,「ニコラウス・アーノンクール指揮」と書いてあるレコードを見て招聘したのだそうですが,実際にはアーノンクールはチェロを弾いていたわけで,楽器を持たない「指揮者」としてのデビューはそのスカラ座での公演だったとのこと。

後半のリハーサルについてはエントリーを分けます。

投稿者 Hayes : November 12, 2005 10:23 PM

トラックバック

(トラックバックspam防止のため,当ブログへのリンクのないトラックバックはできない設定にしてあります。ご了承ください。)

このエントリーのトラックバックURL:
http://hayes.cside2.jp/blogcgi/mt-tb.cgi/319

このリストは、次のエントリーを参照しています: アーノンクール イン 京都(第21回京都賞記念ワークショップ) その1:

» NHK芸術劇場 アーノンクール&ウィーンフィル日本公演 from SPOTLIGHT !
いつもは録画してあとから見ているN響アワーを今日はたまたまオンタイムで見ていまし... [続きを読む]

トラックバック時刻: November 28, 2006 11:44 AM

コメント