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July 29, 2005
ケージやルー・ハリソンらのインタビュー
下のURLはInternet Archiveというサイトですが,アメリカのラジオ放送などのために録音された,ジョン・ケージやルー・ハリスン,ブライアン・イーノ,ヘンリ・カウェルらのインタビューなど,なかなか貴重な音源がたくさん聞けます。Nicolas Slonimsky Speaks about Frank Zappa だとかストラヴィンスキーのリハーサル,ハラダ・タカシのリサイタルなどもありますよ。
投稿者 Hayes : 03:06 PM | コメント (0) | トラックバック
July 20, 2005
ボルチモアとカルガリーの新音楽監督
ボルチモア交響楽団は,2006/7年のシーズンから,現在のテミルカーノフに代わってマリン・オルソップが音楽監督になるようです。ただ,まだ運営委員会の承認を経なければならないので正確には決定ではありません。契約期間や年俸などは未定とのこと。オルソップは現在英国のボーンマス交響楽団の音楽監督です。女性でアメリカのメジャーオケの音楽監督になるのは誰が最初かというのは一時話題になりましたが,オルソップが来ましたねえ。キャサリン・コメとかお元気なんでしょうか。
一方カナダのカルガリー・フィルは,37歳のブラジルの指揮者,ロベルト・ミンチュクを次期音楽監督として指名しました。このオケの音楽監督は2003年までハンス・グラーフが務めていましたが,グラーフがヒューストン交響楽団に転出してから空席となっていました。ミンチュクの音楽監督としての仕事が開始されるのは2006年7月1日とのことです。
ミンチュクといえば、ルイヴィル響の音楽監督候補にもノミネートされていて、以前そのことを書いたので名前に記憶があったんですが、そっちは辞退でしょうかね。ともあれ活躍を期待しましょう。
なお,ルイヴィルより前にオープン方式で音楽監督を決めていたアビリーン交響楽団ですが(記事はここ),新音楽監督はデイヴィッド・アイトキンに決まったようです。
ネタ元:
La Scena Musicale 経由の
ワシントンポスト
カルガリー・ヘラルド
投稿者 Hayes : 01:05 AM | コメント (0) | トラックバック
July 18, 2005
ロストロポーヴィチの評伝
『ロストロポーヴィチ―チェロを抱えた平和の闘士』(ソフィヤ・ヘントヴァ著,吉田知子訳,新読書社)を読みました。ロストロの評伝なんですが,ショスタコーヴィチの研究家として高名なヘントヴァ(ヘーントヴァと書かれることが多いですが)が書いているというところに興味をひかれました。
内容ですが,ロストロポーヴィチとヴィシネフスカヤが目を通してから出版しているので,そんなにびっくりするような記述はなくて,『ガリーナ自伝』や『ロシア・音楽・自由
』を読まれた方なら知っていることが多いと思います。ただ,父レオポリド・ロストロポーヴィチのことやソルジェニーツィンとの関係,それにチェロ教育に果たしたロストロポーヴィチの役割などが結構詳しく書かれていて,興味深く読めます。また,ロストロポーヴィチ夫妻はおしどり夫婦として知られていますが,「あるとき,ヴィシュネフスカヤが恋に夢中になったことがあり,これは危うく破綻へとつながるところだった。」なんてさらっと書いてあったりします。ロストロのほうもアルヘリッチとの関係があったし,まあいろいろあったんですね。
訳文は,残念ながら意味が取りにくいところが散見されます。たとえばプロコフィエフのチェロ協奏曲(第1番)について書いたこの箇所。
「この協奏曲は,1912年の『バラード』以来,二作目にあたるチェロ曲だった。プロコフィエフ自身はチェロを弾かなかったため,この五重奏曲は,チェロのパートなしに書きあげられている。このチェロ協奏曲をもって…」(p.71)
唐突に「この五重奏曲」というのが出てきています。「チェロのパートがない」ということから判断すると,これはオーボエ,クラリネット,ヴァイオリン,ヴィオラ,コントラバスという編成の,Op.39の五重奏曲のことだと思うんですが,前にも後ろにもこの曲のことは全然言及されていないので「この」といわれてもわかりません。
「音楽院で開かれているピアニストのコンサートマスターの授業も,喜んで代わりに行います。」(p.166)
「ピアニストのコンサートマスターの授業」というのが意味不明です。
それから,長いので引用しませんが,p.184のシェバーリンとの話も,ロストロポーヴィチが結局何が言いたいのか私にはよくわかりませんでした。ニュアンスを汲み取って,訳語を丁寧に選択して,日本語としてわかりやすく翻訳してほしかったと思います。
翻訳の間違いというと,人名など固有名詞の表記が標準的なものと違っていることを指摘する人がときどきいらっしゃるんですが,私はそういうのはあまり気になりません。この本にもドラチ(ドラティ)とかゴロヴィッツ(ホロヴィッツ)といった,ロシア語を経由したことによる変な表記,あるいはゾーラ・ドルハノヴァ(ザーラ)のような単純な間違いは少なからずありますが,だいたい推測がつきますし、翻訳者は音楽の専門家でもマニアでもないんだから,その本の扱うテーマについて完璧な知識を持っていることは最初からあきらめています。ほかにも「ショスタコーヴィチの演奏会シリーズ『風刺』」(p.116)と書いてあれば「これは連作歌曲か歌曲集とでも書いてあったんだな」と思えばすむことですし,「ベートーヴェンの弦楽三重奏曲をゆっくり指揮しないようにカラヤンに頼み込み」(p.317)とあれば「これは三重協奏曲のことだな」と頭の中で訂正すればいいわけです。また「二十世紀,作曲家の間ではチェロ曲,特にチェロ独奏曲への関心が増した」(p.179)という文の後に,オネゲル・ミヨー・レーガーなどの作曲家が列挙されているのですが,その一人「マルチェロ」に「ベネデット,1686-1739,伊」と注がついていたら「それは違うだろう」(正解は誰かわかりません。マルチヌー?)とつっこめばいいわけです。
ただ、構文を把握する段階で間違われてしまって、意味の通らない訳文ができてしまうと,原文を知らないわれわれはお手上げなのですよね。そのへんはきちんとしてほしいなと思いました。
投稿者 Hayes : 01:19 AM | コメント (0) | トラックバック
July 17, 2005
リーズ指揮者コンクールで25歳のアレクサンダー・シェリーが優勝
英国生まれの若い指揮者を対象として行われた第8回リーズ指揮者コンクールで,ロンドン出身の25歳の指揮者,アレクサンダー・シェリー Alexander Shelley が優勝しました。なお,他の二人のファイナリストは,サウス・ウェールズ出身の33歳,テクウィン・エヴァンズ Tecwyn Evans と,リーズ大学出身の26歳マイケル・ヤング Michael Young でした。
このコンクールは1984年から行われていて,これまでの優勝者にはシャン・エドワーズ,グラント・ルウェリン,マーティン・ブラビンスらがいます。結構出世率は高いんじゃないでしょうか。今回の審査員の中にはヨルマ・パヌラの名前もありますね。
投稿者 Hayes : 09:37 PM | コメント (0) | トラックバック
94歳の誕生日を迎えたメノッティ
ジャン・カルロ・メノッティといえば1940年代から50年代にかけて米国で大成功したオペラ作曲家ですが,もとはといえば1911年,ミラノの北にあるカデリアーノという町に生まれたイタリア人です。その作品は今でもよく上演されていて,大阪でも数年前大阪音大カレッジ・オペラが『領事』をとりあげましたし(私も見に行きました),『アマールと夜の訪問者』もときどき上演されています。で,とっくの昔に死んじゃった人だと思ってたら,この7月7日に94歳の誕生日を迎えたとのことです。なんとまだご健在だったとは(失礼)。特に大きなイベントが行われたわけではないですが,彼が1958年に設立した,スポレート・フェスティヴァルのアーティストやスタッフたちが彼の家を訪れて誕生日を祝ったそうです。
スポレート・フェスティヴァルはローマの北130キロ,ウンブリア丘陵のスポレートで行われるフェスティヴァルで,ヨーロッパとアメリカの両方からアーティストを集めるという意味で「二つの世界のフェスティヴァル」と名づけられています。メノッティは,1997年に息子のフランシスに譲るまで,このフェスティヴァルの芸術監督でした。今年はヘンデルの『カスティリアの王フェルナンド』上演とかミッコ・フランク指揮ベルギー放送響やテミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルのコンサート,マリエッラ・デヴィーアのリサイタルなどが行われて,今日ちょうど閉幕のはずです。ジャン・イヴ・ティボーデが大活躍してますね。個人的にはカゼッラの作品をいっぱい取り上げたこの演奏会などは聴いてみたい気がします。
ネタ元:
andante
スポレート・フェスティヴァル
投稿者 Hayes : 12:53 AM | コメント (0) | トラックバック
July 13, 2005
RLPOとDSOの新シェフ
新しいシェフの話を2題まとめて。
ロイヤル・リヴァプール・フィルは新しい首席指揮者として,29歳のロシアの指揮者,ヴァシーリー・ペトレンコと契約しました。ペトレンコは94-97年サンクトペテルブルク国立歌劇場(いわゆるマールィ劇場でしょうね)レジデント・コンダクター,94年からステイト・アカデミー・オブ・サンクトペテルブルク(これ、なんでしょう)の首席指揮者を務めています。契約は2006年9月から3年間。1年に最低でも25のプログラムを振るそうです。現地ではイラン・ヴォルコフの2匹目のドジョウかと期待されているそうですが、前任のジェラード・シュウォーツはプログラムが意欲的過ぎてクビになっていますから、あまり斬新なことをやるのは難しいかなという予想です。
一方、ベルリン・ドイツ響のケント・ナガノに代わる新首席指揮者として、インゴ・メッツマッヒャーが就任します。契約は2007/8年のシーズンから最低3年間。メッツマッヒャーは8年間つとめたハンブルク市のGMDをこの7月に終えたばかりですが、秋からはオランダのネザーランド・オペラの監督にも就任しますので、兼任ということになります。こちらは適材適所という感じ。珍曲についてはこちらに期待しましょう。
投稿者 Hayes : 11:00 PM | コメント (1) | トラックバック
July 12, 2005
デイヴィッド・ダイアモンド死去
6月13日,米国の作曲家デイヴィッド・ダイアモンドが亡くなりました。89歳でした。
投稿者 Hayes : 07:10 PM | コメント (0) | トラックバック
大阪フィル・ボロディンQ感想
ここ1ヶ月ほどで行った演奏会(これで全部です…)の感想でもごく簡単に書きます。
6/9(Fri) 大阪フィル第389回定期
現田茂夫
ダヴィード・ゲリンガス(vc)
リャードフ:交響詩「キキモラ」op.63
プロコフィエフ:交響的協奏曲 ホ短調 op.125
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」op.35
この回はゲリンガスがすごかったですね。なんというか…濃いチェロ。とにかくあの複雑なプロコフィエフを最初から最後までハイテンションで弾ききるんだから,聴いてるだけでもぐったりです。アンコール,前日は鳥の歌だったようですが,この日はヴァスクスの「チェロのための本」からでした。裏声まで使っての演奏でしたが神秘的な雰囲気でよかったです。現田さんの指揮は『ワルキューレ』以来でした。メリハリが利いてるのはいいけど,ちょっと詰めが甘いかなというところもありました。シェヘラザードの長原さんのソロは良かったです。
6/13(Mon)フェニックスホール
ボロディン弦楽四重奏団
ヴァイオリン: ルーベン・アハロニアン,アンドレイ・アブラメンコフ ヴィオラ/イゴール・ナイディン チェロ/ワレンチン・ベルリンスキー
ベートーヴェン: 弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 op.18-4
シューベルト: 弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調 D.703「四重奏断章」
ショスタコーヴィチ: 弦楽四重奏曲 第15番 変ホ短調 op.144
アハロニアンになってからははじめてかな? 前にも聞いたかな? ショスタコーヴィチの15番は,リヒテルみたいに楽譜だけを照らして,演奏者が退場するまで拍手しないでくださいというアナウンスがありました(再登場のときは拍手)。演奏はよかったです。ベルリンスキーは見た目はまあよぼよぼですが,結構音はしっかりしてますね。むしろ第2ヴァイオリンのアブラメンコフに衰えを感じました。第1ヴァイオリンのアハロニヤンとヴィオラのナイディンは比較的若いだけあって,音に力があるなという印象。何度かステージに呼び出されたあと,アンコールをやるというのであの後で何をやるのかと思ったら,ショスタコーヴィチの第1番の第1楽章でした。なかなか洒落てますね。
7/8(Fri) 大阪フィル第390回定期
クリスチャン・ヤルヴィ指揮
ペルト: 交響曲 第1番「ポリフォニック」
トゥール: 交響曲 第3番
ストラヴィンスキー: 舞踊音楽「火の鳥」全曲
ペルトはCDも持ってますがやっぱり生で聴くほうがいい曲です。12音を使ってるんですが,ストイックな作曲のしかたはやはり後年のペルトに通じるものがあるなと。トゥールはいろんな技法を混ぜて使ってるような面白い曲ですが,30分はちょっと長いかな。最後の大太鼓がなり終わったとき,近くの席で,小さい声で「終わりや…」と言った人がいたのには笑ってしまいました。火の鳥は全曲でしたが,ぜんぜん長くは感じませんでした。クリスチャンというのはたいした指揮者です。自分の思ってる音をちゃんと引き出してますね。大フィルはこのところ毎年ヨーロッパの若手を呼んでいますが,その中でも頭一つ抜けてる感じがします。あと,今回は珍しくプログラム冊子の解説が面白いなと思って名前を見たら,片山杜秀さんでした。