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March 25, 2005
最近亡くなった3人の指揮者について,雑感など
2/13 シクステン・エールリンク(1918-2005)
エールリンクはもちろん生で聴く機会はなかったのですが(日本へは来たことあるんでしょうか),オイストラフやウィックスとのシベリウスはよく聴きました。交響曲はMERCURYのLPを苦労して買い集めましたが(あ、苦労というのは、物自体はよくあるんですが高いので,キズ盤の安いのを苦労して探したという意味です)、これはあまり録音がよくないですね。かなり高齢まで現役で活躍していたのに,シベリウスの交響曲再録音が実現しなかったのは悔やまれます。交響曲全集の原盤はTONOのはずなんで,あっちにマスターテープ残ってないもんでしょうか。放送録音などあれば出してほしい人です。
3/6 セルジウ・コミッシオーナ(1928-2005)
この人は、録音はほとんど知らないんですが,アジア・ユース・オーケストラとの演奏会を二度聴くことができました。曲は,1回が「第9」,もう1回がエルガーのエニグマ変奏曲を中心としたプロだったんですが,特に「第9」が素晴らしかったです。コミッシオーナは1997年からアジア・ユース・オーケストラの音楽監督を務めていて,去年も振っていたようですね。一般的には(少なくとも日本では)さっぱり人気のない人でしたが,若い音楽家の指導者に選ばれたというのは確かな力を持っていたということではないでしょうか。
3/17 ガリー・ベルティーニ(1927-2005)
ベルティーニは,ケルン放送響と来たときのマーラー全曲演奏(大阪では3,7,8以外)のうちいくつか(フェスティヴァルホールの2階最後列でしたが),東京に行って聴いた都響とのマーラー3,そして大阪フィルとのブラームス1と,東京に住んでいないわりには結構聴く機会がありました。都響との3番は、たぶんはじめてのサントリーホールだったこともあり、特に記憶に残ってます。ケルン放送響とのマーラー全集は、最初ドイツ・ハルモニア・ムンディがはじめて中断していたのを、日本の東芝EMIが引き取って続けたものと記憶しています。現在入手困難なのは残念ですが、あれを完成してくれたのは東芝EMIの大手柄だと思います。大フィルに来たときもとても若々しかったので、77歳と聞いてえっという感じです。
なんかあんまり追悼らしい文章になってないですね。3人ともそれぞれに感動をもらった,思い出のある指揮者だけに、寂しいです。R.I.P.
投稿者 Hayes : 04:54 AM | コメント (0) | トラックバック
March 21, 2005
K.A.ハルトマンの交響曲第1番
カール・アマデウス・ハルトマン
交響曲第1番「レクイエムの試み」
ウォルト・ホイットマンの詩に基づく、アルトとオーケストラのための
第1楽章「序:苦難」
私は座して、世界のあらゆる悲しみを、そしてあらゆる
圧制と恥とを見わたす
戦いの、疫病の、圧制の働きを私は眺める
殉教者たちと囚われ人たちを私は眺める
私は見つめる、傲慢な人々が貧しい人々に投げかける軽視と侮辱を
これらすべて―すべての終わりなき卑劣と苦難とを、
私は座して見わたし、眺め、聞く
第2楽章「春」
前庭に最後のライラックが咲いたとき、
そして宵の西の空に偉大な星が落ちたとき、
私は悼んだ、そしてめぐり来る春ごとに悼むことだろう
めぐり来る春よ! お前は必ず三つのことをもたらせ
変わらず咲くライラック、
我ら皆にお前が与える苦難、
そして、近くにある死への思いを。
第3楽章「主題と変奏」
第4楽章「涙」
涙! 涙! 涙!
夜、孤独の中で
白い浜辺にしたたりおち、
砂に吸い込まれ、一つの星もなく、
すべては暗くわびしく
覆った頭の目からの涙
あの幽霊は誰だ?
闇の中で涙するあの姿は
砂の上に背を曲げうずくまるあの醜い塊はなんだ?
滂沱の涙を流し、むせび、苦しみ、激しい嗚咽に息を詰まらせるものは?
昼はあれほど物静かで上品で
穏やかな顔で落ち着いて歩む影法師よ
夜になるとお前は飛んで行き、
誰にも見られず―海のようにあふれる涙! 涙! 涙!
第5楽章「エピローグ:嘆願」
私は聞いた、その死者たちを悲しげに見つめながら、すべてのものの母は
引き裂かれた体を、戦場を覆う姿を見つめながら、絶望的に
歩みつつ、沈欝な声で彼女は大地に呼びかけた
彼ら皆を飲み込め、わが大地よ、彼女は叫んだ
我は命ずる、わが息子たちを失うなと、
そして汝、流れたちよ、
彼らを飲み込め
彼らの大切な血を
この場よ、そして、触れることのできない軽く浮遊する大気よ
そして汝、あらゆる土と成長の本質よ!
ああ、わが死せる者よ!
彼らを、永遠なる甘き死よ、何年も、何世紀にもわたって、吐き出しつづけよ。
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ちょっと訳してみましたので載せておきます。ハルトマンは原詩をかなり短くして,ドイツ語訳したものを使っています。まあ誤訳はあると思います(うまく訳せなくて明らかに文の前後が合ってないところもありますし)のでお気づきの方はコメントお願いします。なお,底本はボッツタイン盤(Telarc)のブックレットです^^;。
投稿者 Hayes : 04:39 PM | コメント (0) | トラックバック
March 12, 2005
ウィグモア・ホールが新レーベル設立
ロンドン響をはじめ,最近は自主制作レーベルが元気ですが,今度はロンドンの名門室内楽ホール,ウィグモア・ホールが自主制作レーベルを立ち上げることになりました。Wigmore Hall Live!という名前のこの新レーベル,さしあたり今年は12ないし16枚のディスクをリリースする予定で,価格は10ポンド前後とのことです。9月に出る最初の4枚はサー・トマス・アレン,デイム・フェリシティ・ロット,ナッシュ・アンサンブル,アルディッティ弦楽四重奏団というラインナップです。今後は過去のアーカイヴや,若い歌手たちのデビュー・ディスクをリリースすることも考えているそうです。
なお,ホールのエグゼクティヴ・ディレクターであるジョン・ギルフリー氏は,最初の年は英国と海外,特に日本での売り上げで収支トントンになると期待している(Executive director John Gilhooly said he expects the label to break even through UK sales in the first year, with an additional strong international following, particularly in Japan.
)と語ってます。こう言われちゃあ日本の誇るクラヲタとしては売り上げに協力せざるを得ないところですが、特にこういうふうに言及されるってことは、LSOレーベルとかは日本での売り上げが特に好調ってことなんでしょうかね。
La Scena Musicale経由のGramophone
ホールの発表
投稿者 Hayes : 10:15 AM | コメント (0) | トラックバック
March 11, 2005
メロス四重奏団のヴィルヘルム・メルヒャー死去
3月5日メロス弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン奏者,ヴィルヘルム・メルヒャーが亡くなりました。65歳でした。メルヒャーは1965年にシュトゥットガルトでメロス四重奏団を設立,以来第1ヴァイオリン奏者として活動していました。メロス四重奏団は今年,告別ツアーとして各地を回る予定でしたが,実現することなく解散となります。
klassik-heute
Esslinger Zeitungen
投稿者 Hayes : 12:16 AM | コメント (0) | トラックバック
March 09, 2005
ルイヴィル管弦楽団の7人の音楽監督候補
アメリカ・ケンタッキー州のルイヴィル管弦楽団といえば,現代音楽の演奏と膨大な自主制作LPで知られるオーケストラですが,現在音楽監督は空席で,レイモンド・レッパードが音楽顧問を務めています。なお,1999年から2004年まで音楽監督だったのは,ああ懐かしや,大阪センチュリー交響楽団初代音楽監督にして名誉指揮者でもあるウリエル・セガルでした。セガルは現在ブルーミントンのインディアナ大学首席客演指揮者だそうです。
さて,このルイヴィル管弦楽団が現在次期音楽監督の選考中です。候補は7人にまで絞り込まれ,この7人が次シーズン,実際に指揮をして最終決定がされます。以前に書いたアビリーン・フィルと同じやりかたですね。今回も,将来の大指揮者候補でもあるこの7人をご紹介しておきましょう。
ジャンカルロ・ゲレロ Giancarlo Guerrero
ユージン響(オレゴン)音楽監督,元ミネソタ管副指揮者。ニカラグアで生まれ,コスタリカで育った。
カルロス・ミゲル・プリエト Carlos Miguel Prieto
メキシコ最古のオケ,ハラパ響の音楽監督,ヒューストン響副指揮者,ハンツヴィル響(アラバマ)音楽監督,元メキシコシティ・フィル副指揮者。かつてのルイヴィル管音楽監督ホルヘ・メスターにも指揮を師事した。なお,デ・ラ・フエンテ指揮のショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番でソロを弾いていたチェリストのカルロス・プリエトは親父さんだそうです。
ロバート・ミンチュク Roberto Minczuk
ブラジルのサンパウロ国立響の副芸術監督を9年務めたあと,現在は同オケの首席客演指揮者。元NYP副指揮者。今シーズンはリヨン国立管,ロイヤル・スコティシュ・ナショナル管,ハンガリー国立ブダペスト・フィル,イスラエル・フィルに客演する。元LGOホルン奏者。
ダニエル・ヘージー Daniel Hege
シラキューズ響(秋山和慶さんがいたところですね)音楽監督として5シーズン目を迎える。カンザス・シティ響副指揮者,シカゴ・ユース響音楽監督,ボルティモア響副指揮者なども務めた。コロラド生まれ。
ミシャ・サントラ Mischa Santora
オランダ生まれ,スイスで育つ,シンシナティ室内管を5シーズン指揮。ミネソタ管副指揮者に就任予定。ハンガリーのミスコルツ国際オペラ・フェスティヴァル音楽監督を3年間務めた。元ニューヨーク・ユース響音楽監督(現音楽顧問)。
エドウィン・アウトウォーター Edwin Outwater (公式サイト)
サンフランシスコ響レジデント・コンダクター,同響ユース管音楽監督。今シーズンロサンジェルス・フィル,シアトル響,コロラド響などに客演する。カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。
フェデリコ・コーテーシー Federico Cortese
元ボストン響副指揮者,グレーター・ボストン・ユース響音楽監督,イタリアのスポレート・フェスティヴァル音楽監督・副指揮者,ブルックリン・フィル副指揮者。
La scena musicale 経由の The Courier Journal
投稿者 Hayes : 12:37 PM | コメント (6) | トラックバック
March 04, 2005
若いピアニストのためのフランツ・リスト・コンクール
第1回若いピアニストのための国際フランツ・リスト・コンクールというのが,2月24日から3月1日までヴァイマールのフランツ・リスト音楽ホッホシューレ及びベルヴェデーレ宮殿音楽ギムナジウムの共催で行われていたのですが,7人の受賞者が発表されました。
カテゴリーI(10-13歳)
1位 テオ・ゲオルギウ Teo Gheorghiu(12歳)
ルーマニア出身の両親を持ち,スイスに住むカナダ人で,ロンドン近郊のパーセル・スクールで学んだとのこと。国際人ですね。
2位 チーチャオ・チア Zhichao Jia(13歳)
漢字は不明。デュッセルドルフ在住でロベルト・シューマン・ホッホシューレ在学の中国人。
3位 ナン・ソン・フアンNan Song Huang(11歳)
最年少の出場者だったそうです。北京の音楽院在学中の中国人。
カテゴリーII(14-16歳)
1位 ジェイムズ・レドファーン James Redfern (16歳)
英国人。カテゴリー1のゲオルギウ同様パーセル・スクールの学生だそうです。
2位 ノギ・ナリヤ Nariya Nogi (15歳)
やりました! 大阪生まれの日本人。検索してみると野木成也さんと書くようです。
3位 チュン・ワン Chun Wang (1990年生まれ)及びアンドレア・シュッツ Andrea Schutz (16歳)
シュッツは地元ベルヴェデーレ宮殿音楽ギムナジウムの学生です。
そのほか部門賞がありました。
最優秀20世紀作品演奏賞
カリム・サイード Karim Said
ヨルダン人で、やはりパーセル・スクール生徒。
最優秀自己作品賞
カウシカン・ラジェーシュクマル Kausikan Rajeshkumar
自己作品賞という訳はわかりづらいですが、Eigenkomposition だから自作の演奏でしょうね。ロンドン生まれで、やはりパーセル・スクール生徒。
最優秀リスト作品演奏賞
ノギ・ナリヤ
いずれも将来が楽しみです。